富野由悠季監督 講演内容32013年04月03日 21:40

 3月31日に開催した明治大学 「未来社会構造シンポジウム」での
 富野由悠季監督の講演内容のまとめの続き、3回目です。

 『時間がある時に少しずつアップしていきます。』


 富野由悠季監督はセッション3:未来社会想像・創造で登壇され、
 「1000年の夢をもたせる
  -宇宙時代の社会問題を子供に理解してもらう必要性-」と題して、
 ご発言されました。
 (富野由悠季監督が登壇して30分程お話されました)


 今日は13分頃~19分頃までの内容をまとめました。
 文中「・・・」や「??」は、言葉が聞き取れなかった所です。



 「そうすると、先程も僕よりちょっと年上の・・・ごめんなさい
 名前間違えちゃいけないから。。。
 斎藤先生、のお話なんかもすごく共感できる事があるんです。
 日本でのロケット開発史、肌身にしみます。
 あ、先生が関与した様な物に自分自身が関与したくて、
 本当に中学一年の時には理数科は一生懸命頑張りました!
 二年になった時になんか方向転換をしちゃいまして、読書クラブに
 入っちゃったおかげで理工科系の意味がドーンとあけてしまいまして、
 こういう風になりました。
 って言うのは、そしてそのような時代から、いわゆるロケットを開発し、
 ロケットを開発するって事はどう言う事かって言うと、ロケットっていうのは
 実は使い道がないんですよ。
 ミサイルにする以外に。
 それを平和利用になんとかかんとか持って行って、なんとか俺の
 好きなロケット飛ばしたいなっていうのが現在の  (フフフ)です。
 そして、それこそ実際に今、現在我々は静止衛星軌道まで利用する事が
 できるようになって、静止衛星軌道上に打ち上げた人工衛星が
 あるおかげで今実を言うと通信のインフラの部分が完璧に成立していて、
 我々は今実を言うと静止衛星軌道上の衛星が無ければおそらく皆さん方
 こんな事やってるやつ使えない。
 って言う時代になってる。
 にも関わらずです。それだけの時代になってるんだけれども、
 私たちは宇宙を利用しているかと言う実感はもう持ってないんです。
 それが人の感性です。
 そして、そういう部分までの実用が実を言うと宇宙利用の限度であると
 言う事を、おそらくロケットと宇宙利用をしようということをリアリズムで
 考えている人達はそこで全て実を言うと思考回路がストップしているんです。
 宇宙での、どう言う事かと言うと、宇宙を利用する目的、それ以外
 静止衛星軌道にそう言う風に無人の物を打ち上げてしまったもので、
 それ以後の利用と言うのはほとんど利用価値が無いのが宇宙です。
 実際これ皆さん方 携わっている方は皆さん知ってます。
 知っているけども予算獲得をしていかなければ自分達の研究施設が
 なくなっちゃうんです。
 職場がなくなるんです。
 ですから火星にまで人を飛ばそうと、まぁあれはちょっとジャンルが
 違うんですけども、
 有人活動は有り得るんではないかと言う風に思っていると言う部分も、
 やぁなんか要するにでっち上げくらう。
 やぁそれはでっち上げ前に言うと、言ってしまえば子供じみた発想
 かもしれない。
 だけど現実問題としてそれなりの研究施設を見たり、現在もロケットを
 開発している様な日本人というのも具体的に知ってます。
 そう言う先生方の研究室なり、を拝見させて頂ければ、やぁ来年も
 再来年も学生と一緒にこれやってかなきゃいけないんだよね
 って予算はどうしても欲しくなれば、そりゃ政府の文官を騙してでも
 是非取ってくるというのがこれが教授の仕事なんです。
 本当にそういうキャリアを持ってらっしゃる先生方は大変だと思いますが、
 これ以降もうしばらくがんばってください。
 がんばって下さいと言うお話をもうちょっとだけ続けさせていただきます。
 そして実際にそう言う子供じみた夢の一環としてもう皆さん方も
 一番ご存知の宇宙エレベーター、もしくは軌道エレベーターと言う言い方、
 どっちの言い方 実を言うとどっちでもいいんです。もう。
 僕は宇宙エレベータとします。
 僕はキャピタルタワーとします。
 今の・・・・皆様方が解らないのは、解らないままにしておいて下さい。
 ご内密に。
 で、宇宙エレベータの事なんて言うのは、僕の様に宇宙旅行はロケット
 ありきの人間にとっては許しがたい!許しがたい事なんです。
 絶対にあっちゃいけないことなんです。
 低軌道衛星まで、え~、低軌道まで行くにしても、ロケットでなくっちゃ
 いけないんです!
 これがあの~僕達の世代の感覚でした。
 ところがあの3年ほど前に、やはりこれだけ宇宙エレベーターとか
 起動エレベーターと言われる様になったんだからと言う事で、それは
 ちょっとだけ調べてみました。
 それはちょっとだけ調べてみて、理屈は解りましたけれども、その理屈を
 全否定する所に入りました。
 全否定する所に入って行った時に、おこった事は何かと言うと、
 宇宙エレベータがもし可能であるとした時に、これはかなりロケット以上に
 運搬性能としての精度は高いだろうと思いました。
 それと効率もいいかもしれないと言う風に思います。可能ならです。
 その時に初めてです、て言う事はこれは交通機関になるんだよね
 って言う言葉が初めて思いつきました。3年前です。
 で、その事で改めてロケットっていうもの考えた時に、多段式ロケットが
 なぜ交通機関にならないのかと理由もわかりました。
 つまり液体燃料ロケットでも固体燃料ロケットでもそうなんですけど、
 メンテナンスが大変なんだろうと。
 それから毎日毎日飛ばすわけにもいかない。
 と言うくらい高額にめんどくさい道具なわけです。
 ですからそれは基本的に交通機関としては利用できない。
 そして交通機関として利用できないのだけれども
 一見乗り物に見えるだけに、そして宇宙に行けると思えるために、
 あれを乗り物だと思ってしまったと言う近代人のインテリジェンスの
 すばらしい叡智がある訳です。」