早稲田祭2013 福井晴敏&皆河有伽トークショーに行ってきたぁ2013年11月10日 00:23

11月3日(日)
早稲田祭2013 福井晴敏&皆河有伽トークショーが早稲田大学本部キャンパス15号館202教室で開催されたので、行ってきました。


13時過ぎに早稲田正門に到着すると、何やら見た事のある先生が携帯電話で連絡しており、近づき会話の内容(聞いてはいけませんねw)を聞いてしまったのですが、どうやら迷ってる様子。
その先生とは皆川ゆか先生で、この日のゲストトークをする方です。
で、一緒に15号館なる建物を探す羽目にw

正門から入って行くと、早稲田祭で沢山の人が集まっている中を突き進まなければならないので、ぐるっと外周をまわり、待ち合わせの北門までご一緒する事に。

北門に着くまで、短い間でしたが他愛のない会話ができ、なんだか独り占めした気分でした。


待ち合わせの北門でガンダム研究会の学生さんがお待ちかねでしたので引き継ぎ、私は教室の前に行き始まるまでの時間、何質問しようかと考えにふけってました。



15号館202教室 ガンダム研究会
手作りのパネルです。


そして、ガンダムのコスプレしてた方がいたのですが、私が到着した時には、ガンダムがこんな姿に。。。w


福井晴敏先生と皆河有伽先生のトークショーは14時30分開始。
約1時間強、ガンダムのトークと質疑応答が行われました。

この内容をまとめましたので、以下をご参照ください。

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福井晴敏氏
え~今日はどうも、本日よくいらして下さいました。
並び順これでいいですか?
今ね、控室から出てきて、隣の部屋が他の準備をしている所を
通って、「中入ります」と言われて、そこで来たらいきなり入って皆さんがいたので我々だいぶ戸惑ってます。www
かなり想定外の状況なんですけれども、今日は1時間程、お付き合い頂ければと思います。
よろしくお願いします。
さて。あの~自己紹介した方がいいかな。
あなたが通った後、ギョっとしてましたから。

皆河有伽氏
皆河有伽でございます。ゆかにゃんです!きらりん!

福井晴敏氏
初耳な事ばかりでしょう。
皆さんもご存じかと思いますけど、ガンダムオフィシャルズ。
あのものすごい分厚い百科事典をこの人がほとんど一人で作られたという。
あれはもう我々ユニコーンのスタッフも、あれを全て基にして作ってると言っても過言ではないくらい、重宝しているものでございますけれども。

今日はあれ、ガンダムと言うものについて。

皆河有伽氏
福井さんがユニコーンをお書きになって、一様私もノベライズとかを何個かやらして頂いて、小説家サイドからガンダムに係わる、ガンダムの創作についてお話する形を考えてはいるんですけども。
まず最初にガンダムの出会いのあたりからお話した方がいいんでしょうかね。

福井晴敏氏
俺は最初のガンダムの時が小学5年生。
その前ってダイターン3ってあったじゃないですか。
あれを見てなかったんだけれども、たまたま最終回の時にちらっと見て、今度ガンダムをやるよって予告編を見たのがあれが一番最初の出会いで。
今でさえ最初のガンダムはあんまり線とか多い感じがしないしスラットした感じするんだけど、当時始めてあの顔を見た時ってこんな線がごちゃごちゃしたものは始めて見たな。
画面が色白なんだけど白く見えないくらいぎっちぎちな感じがしたんだよね。

皆河有伽氏
私も予告から見てたんですけれども、ダイターンのとこから。
ダイターンが好きだったんで丁度私がその時がダイターンが中学2年生。
中学3年でガンダムの本放送。
平成生まれなんですけど。www
前世の記憶が残ってる。

福井晴敏氏
あ~前世では!? 中学3年の時?

皆河有伽氏
3年の4月7日から放映だったんで。
3月の最終週がダイターンで、中学2年の時ダイターンを見てて。
あんまりしっかり見てなかった、予告で覚えてるのはでっかい一つ目がいるなって。
不思議な、キャシャーンに出た悪役みたいなのがロボットみたいなのがいるなって。
この一つ目が出て生き延びる事ができるかって言われて、わぁなんだろうって見て、で、翌週見て1話から見てびっくり。
これは凄いぞ。
それでクラスのみんなに布教して回ってね、絶対見た方がいいよって布教して、クラスの中で最終的に7・8人見る様になった。
アニメに興味のない人間を無理やり見せる様に、ずっと言い続けて最終的にはクラスで7・8人見る様になった。
そんな感じでしたね。

福井晴敏氏
そか。俺ね付き合い長いですけど、今まで年齢に係わる事とか、そういう事をなるだけ聞かない様にしてたのに、思いもよらない所から、、、まあ前世とはいえね、まあ聞いたんで、そか、そんなお兄さんだったんだ。www
俺ちょっと動揺してますけどね。
その前に宇宙戦艦ヤマトとかも見ていて?

皆河有伽氏
福井さんはヤマトはピンとこなかった?

福井晴敏氏
いや、あの~ブームでしたから。
本放送とかは見てなかったけれども、その後ブームになってからちゃんと見ていて、その後予告編はみていたんだけども、来週から見たかって言うと俺見なかった訳ですよ。
なんでかって言うと、俺らその頃小学生のムーブメントはロボットじゃなくてスーパーカーに移ってた。
今更ロボットなんてなみたいな、そう言う感じもあって全然みないで、それっきり忘れていて、多分テレビひねった瞬間にたまたまやってる所に出くわした事はあったんだけど、最初から見ていなくて分からなそうだなと思って止めちゃって、それから次に出会ったのは何かの雑誌の所に出ていたバンダイの広告です。
それで初めてガンダム、、、最初にプラモが出る時、ガンダムとかザクとかラインナップ (皆河『ムサイとか』)そうそうそう。
そう言うのが全部出てて、ヤマトの次はこれって言うのが明確に打ち出されていたんですね。
で、その時俺は始めて強くガンダムって言う言葉を意識して、それからしばらくしたら本当に店頭にあのプラモが並んで、でもその時点では見た事もない訳なんです。
見た事ないんだけど、武器を持っている。ロボが武器を持っているって言うのは、刀じゃなくて鉄砲と盾を持ってるって言うのは、なんか本物っぽい感じがあって、それで買ったんだけど、あの当時300円のまだブームも何も起こってない頃。
それを買ってやってみたんだけどね、当時の物を知ってる人はこの中少ないと思いますけど、最初のガンダムって腕を付けるの凄い難しくって、なんであんなに面倒くさい、挟み込む様にすればいいのにわざわざ小っちゃい丸にはめ込んでそれをくっ付けなきゃいけない。
普通に小学生が作ったら100%手が接着剤で固まって動かなくなる。
案の定動かなくなって、それで頭に来て、、、
その前に宇宙戦艦ヤマトのブームでヤマトのプラモデルをいっぱい作ってたんで、それで友達の兄貴からダメージの作り方を教わって、釘をペンチで持って、火でじゅーっとしばらくガスコンロであぶってからブスって突き立てるといい感じにビームで打たれた感、穴が開くっていうのを学んでいたんで、それでちょっとブッスブスにして腕もビームサーベル知らなかったにも関わらずビームサーベルみたいな感じで切って、無意識に最終回のガンダムを演出した感じにして。

皆河有伽氏
まるで見ない段階でガンダムのプラモから入って

福井晴敏氏
プラモを処刑して。www
一年後に始まるブームはまったくなかった。

皆河有伽氏
うちの方では子供が将棋倒しになったりとか

福井晴敏氏
あ~それはね、サンライズ的には無かった事になってる。www

一年前の俺は何てバカな事をしたんだろうって思うくらい普通の他の子供と同じ入口で入って、同じ様にブームに乗っかって、そして去って行ったと。
っていう感じでしたね俺の場合は。

皆河有伽氏
私とかはプラモはガンダムの最初のを買ったけど、途中まで作ってほったらかしで完成させずに、で、その後に60分の1のザクを買ったけどこれも完成させずにパーツ取りなんかでその頃自主映画なんかをやってたんでパーツ取りに使った記憶が。
特撮とかサークルでやってたんで、あまりガンプラは作らずにその頃は高校生だったんですけど、高校生でコロコロとかボンボンをずっと立ち読みしていたんで、プラモ狂四朗とかあの辺全部おさえて、ほんとうは読んでちゃいけない時に読んでました。
だいたいだから若い人達と話が多少できるなって。

福井晴敏氏
なるほど、それで今まで騙されてたんだなぁ~ www
その後ってZガンダムに至るまで、一度途切れるじゃないですか。
途切れたんですか?
それとも途切れずに?

皆河有伽氏
そこは富野アニメって形でずっと見てたんで、イデオンとかザブングルとかを見てたのでまさかゼータが始まるとは、当時の感じでいくとガンダムのパートツーは無いって言われてた。
だからMSVとかはプラモで展開していて、わぁ、ザクに大砲付いちゃった、ザクが戦車になっちゃったみたいなそういう事をずっと見ていたんで、割り合い冷めて見ていて、なんだろう、ガンダムっていう物自体がもともとヤマトのブームの中で話中心であがってたんで子供に凄くガンプラは人気になったじゃないですか、ちょっとびっくりしたんですね。
なんでだろうって言ったらさっき福井さんがおっしゃった様にガンダムって大人っぽいと言うか本物っぽいって言うのが最初にあって、そこの部分が受け入れられてるんだなってなんとなく空気で、MSVの表現の仕方、っていうので感じたんですね。
ですからなんだろう、、、リアリティみたいなものが結局18メートの物がノシノシ歩いている世界なのでそれはロボットをモビルスーツと言ってね、本当なのかって言われると難しくて、ここでいわゆる本題の小説の部分と絡むんですけど、そのままでたらねぇ、ロボットでしょ。
18メートルって今お台場に立ってるんですけど、ノベライゼーションにしても結局一行でガンダムが立ってたって書けば済むのかって言ったら、その、文字って絵程説得力が無い。
(福井『無いですね。他の補強が必要になってくる。』)
そう言う部分ていうのが、、、アニメーションのノベライズって言うのはシナリオライターの方が多かったので、どうしても小説方を[聞き取れない]してどうやればリアリティを持たせるかそう言った[こぶん? 聞き取れないです]にあまり頓挫せずに、前提としてガンダムがあるんだよ。って言う風な書き方をされている方が多かったんですよね。
最初ウィングのノベライズをやらせて頂いたんですけど、外伝って形で、その後にブルーディスティニーというゲームのノベライゼーションって形でやらせていただいたんですけど、大きいんだから大きいんだよって言うのをちゃんと表現したい。
いろいろガンダムって設定って言うのをあるとしたらそれを出したい、入れたいって思って、そこを注意して書いてる。

福井晴敏氏
なるほど。。。
俺はあの~、小説を書くときに一番気にしてたのは、そんだけのデカイ物が歩き回ったり飛び回ったりしているのを間近で見た時、感覚って経験無いじゃないですか。
当然ね。経験した事無いし、他からの流用っていうのは例えば他からヘリコプターが直ぐ近く飛んできて上を行くとか、戦車が走ってるって言う事では無い以上の何かの圧迫、、、って言うのをどう表現するか。
あとビームね。
これほんとなかなか分からなくて、見た事ないじゃないですか。
(皆河『しかもお風呂を沸かせるってね』)
ん~。やろと思ったらね。
だからあのビームって言うそれこそビームサーベルってねあの装甲をぶった切っちゃうじゃないですか。
それだけの熱を持つものが直ぐ近くにあるって言うのは
(皆河『結構側に普通にいてね』)
そう。溶鉱炉の近くに立っているってなんてもんじゃないと思うんですよ。
あの辺の感覚をどういう風にするか、ビームに関しては雷だってやっと自分の中で答えが出て、たぶん遠くでその~、コロニーのこっち側にいて反対側で撃ち合ってたのがあったら、たぶん雷みたいにパッパッっていう直線的な光が見えた後にドドドドドって言う雷の様な音が聞えてくるっていう、これだ!
そこはそれでビームの方はクリヤーして、あと18メートル台の物がそこらを歩いてる、18メートルってそもそもどれくらいの大きさなのかって言う事をこれもねあの~、丁度その時全然別の取材で東京都の河が溢れすぎそうになった時に(皆河『地下神殿』)そうそう、地下の。
あそこに建っている地下の広~いいざって時に水を逃がす空間があるんですけど、その空間に建っている塀の長さが18メートルですって職員に聞いた瞬間に俺はもうその時の取材はもう全部俺の中では基本的に無くなってそうかこれがずらって並んでるっていうのが、モビルスーツデッキってこういう感覚かって言うのが、その時に初めて分かって、あれがね、大きい経験でした。
やっぱり何かしら自分が見たもの聞いたものってどっか引き寄せないと、映像は作れるんだけど、小説はほんとダメだったなぁ。

皆河有伽氏
結局、富野監督がゼータが終わる頃に、ロボスは字にならない。いやロボスは絵にならない。
と、おっしゃって、ロボスは絵にならない、要するに最後にいろんな人がこう現れて、幽霊が現れてる訳ではなくて、自分の覚えてる人がぱっと現れて、絵に表現したらああなって幽霊ぽくなってしまった事と思うんですけども。
結局、小説って説得力というものでいくと、ぱっと出せばいいっていう物の存在感を出す為には、ものすごい文量が実は必要で、(福井『必要ですね』)そこがやっぱり解り易く見せなきゃいけない。
設定はずっと語られても 退屈?[聞き取れません]できればエピソードと絡めて、そうしないとどうしても読んでる方も、オフィシャルズを書いてる人間が言うのも何なんですけど、設定で10ページとかやられたらちょっと悲しい気持ちになってしまう。
だから上手くそれを入れる様な段取りを決めて、順番に決めて入れなきゃいけない。
福井さんはユニコーンの時に結構順番で使うものを見せてくれて、それは相当悩まれたと思うんですよ。

福井晴敏氏
や~も~結局あれだもんね。
最初の月刊の連載に換算すると、ようやくガンダムが出てきたのって始まってから半年後だからね。
アニメの放送終わっちゃう。
あれはやっぱりどうなのよって自分自身あったのだけれども逆にこれをやらないと小説にはならないし、ユニコーンやる時に一番あったのは、とにかく今の我々は本を読まない。
俺も含めて。
どんどんやっぱり文芸詞章ってのはね、冷え込んでるじゃないですか。
だからもう一度我々くらいの歳のとこって言うのは、ある程度難い本とかそういうのを読んで、その小説市場を支えて、文化の一側面を支えてるみたいな所をあったのだけれども、それが無くなってしまうとね、どんどんその漫画原作の様な物多くなってしまうし、いわゆる応援層みたいな人達の主体になってくると、ベストセラーと言われている物って残らず、なんか僕が君を好きになってどうのこうの的なものになって、それに映像が引きずられてしまうんですね。
難いものやある程度知力を要求するものってまったく無くなっていってしまうって言うのがあったんで、じゃもう一度その、我々くらいの前後10歳くらいのとこが、小説を読むっていう習慣をなんとか取り戻してもらえものかと、と言う所で、このユニコーンをやってのがあったから、だから逆にいっさい手を抜けなかった。
ガンダムだからいいやって全くなかった。

皆河有伽氏
あれは経緯って形はどういった経緯だったのですか?
最初に福井さんがやりたいって手をあげた形なんですか?
それとも角川さんが?

福井晴敏氏
これはもういい加減なもんですよ。
何事も経緯ってね。
この中に居られる方は結構ユニコーンのBlu-rayとかDVD買っておられる方もいるんで承知でしょうけども、最初は安彦良和の対談が全ての始まりで、最初に安彦さんに会いたいって言ったのは俺だった。
それはガンダムエースではなく文芸誌みたいなところの中で、安彦良和は俺にとって俺が見てきたアニメーションの画の代表みたいな所であって、でもその人ってある瞬間アニメから手を退いた。
アニメから手を退いた後に何をやったかって言うと、凄いごっつい歴史漫画みたいなばっか描いてたじゃないですか。
ガンダムとかイデオンを見た時に持っていた夢って言うか、多分こうなっていくんだろうなって、アニメーションに対する期待って言うのは、実写と同等の表現媒体にこれから育っていくんじゃないか。
特にガンダムの劇場版の最後のやつとかイデオンに至るまでのスタジオの熱気とかアニメーター達の練度の上がり方って見ると、生身の俳優よりもある種生身を感じさせる画って描ける様になってるし、それが出来るんだったら、例えば俺が二十歳くらいの時はNHK大河ドラマがアニメになってるって事があり得るんじゃないかと、言うくらいの期待はされていたんですけど、現実はそうはならなかった訳ですよ。
その後、うる星やつらだとかマクロスだとか、せっかく実写の方に近づきかけたものを漫画の方にぐい~って引き戻す様なムーブメントっていうか、、、
(皆河『大河ドラマみたいなのって減りましたよね』)
ん~。それでなんか、だってそういう風潮の中できっと安彦良和はアニメが嫌になって辞めたに違いない、だから当てつけの様にあんな歴史漫画を描いてるんだろうなって俺の中でこう妄想安彦良和がこう膨らんでいってですねで、そんな人が、ガンダムオリジンをまた描き始めたっていう、それは俺には分からなかった訳ですよ。
だから、気になるから、せっかくこの仕事だから合せてもらおうとっていうんで、ねつ造に近い感じで対談企画をやってですね、で合わせてもらって、話してみると、ああなる程ね。
やっぱ自分自身もガンダムに戻るって事に対しては凄い抵抗ってあったけれども、サンライズの前会長のあの~、からの頼みってあったし、今のガンダムってその時オリジンがねアニメになるだなんだいう事の毛程ももちろん無い頃なんで、だから海外に紹介する上での最初のファーストガンダムの画って古びてしまってるんで改めて紹介しなおせる様にね、作りたい。
そういう動きがある中で、5年位かなと思って始めたんだと言う話を聞いて、なるほどなるほどみたいな感じで実際10年になってしまってる訳なんですけれども、そんな事があって、割りとそこで意気投合した訳ですよ。
しばらくしたら今度はこっちの方が及びしたいっていう所で、始めてガンダムエース対談企画ってのに呼ばれたんですね。
ガンダムエースってあの~それまで本屋さんでちらっと見かけた事はあるんだけれども、手に取った事は無い。
月刊ガンダムって俺の中では「これいつまでもつのかね」って思ってたんだけども、その時それを始めた編集長の小林さんっていう人が、これがまあ典型的な山師で、山師なんだけれども、自分が一回好きって思った物はとことん追求していくみたいな、そういう所を持ってる人で、その人が安彦さんの対談を景気に契機に「福井さんもガンダムで1本書いてよ」ってすご~い気楽な感じで言ってきて、俺もあの~「いいですよ」いいですよって言った最大の理由は福井さんが書くって言ったら安彦さんが画描くよ。奴にはなんらあても無かったんだけれども、編集長が言うんだからそうなのかなって思って、じゃあ頑張っちゃう。
頑張るって言ったって精々連載とやっても3カ月で終わる様なお笑いミニ短編とかでいいかなって思った。その時のお笑いの企画ってのは、今でも実現したいって思うくらい冴えたもので、1年戦争直後、スペースバンダイって
いう会社があって、戦後直ぐってホワイトベースの人達って大人気になったじゃないですか。
子供達があのアムロって人の持っている丸いのは何?って凄い気になって、週刊誌とかでこれがハロだって。
で、スペースバンダイの人はこれを複製して売りたい。
で、いくんだけれども、アムロが見つからない訳ですよ。
それどころか、ホワイトベースのクルーがみんななかなか見つからない。
みんななんか幽閉されてるぽくなってる。
その社員は、その幽閉されているらしいとか、ティターンズらしい[聞き取れませんでした]それに類する様な人たちがあまり近づくなと言ってるのも、全部ライバルのスペースタカラトミーの差し金だみたいな、ひたすら前進して、アムロの所に行って、ハロの著作権を下さいって、それを言う為だけにひたすら前進し続けて、最終的には連邦の公安みたいなのにモビルスーツに追っかけられて、どえらい事になって行くって言う。
これは面白そうでしょ(笑)

皆河有伽氏
ずーっとその社員の顔が佐藤浩市なのね。

福井晴敏氏
あの人そんな鈍感なタイプじゃないんだよね。
どっちかって言うと森山未來。
そんなくらいでいいかなって思って、それを今みたいにして会議室の企画のあれで、みんな皆さんの様に笑ってくれましたよ。
笑ってくれた後に「ちゃんとやって下さい」と言われて、ちゃんとしないとけないの?

皆河有伽氏
会議の席で言ったから良かったんですけど、企画書そのまま出す[聞き取れませんでした]「こういうのやめて頂きたい」

福井晴敏氏
その方がちょっときついね。

皆河有伽氏
ここをね、DG細胞で合体したランバ・ラルを出したい[聞き取れませんでした]「こういう扱いはやめて下さい」

福井晴敏氏
それは無理だよw
そんな事もあって、じゃあ逆に、もし本当に本腰入れてある程度やるんだったらアニメのミニシリーズ作れるくらいの事はやんなきゃねって。
俺はその時、ターンエーのノベライズをやってたじゃないですか。
あれでサンライズの連中とある程度面識もあった、気心も通じる所もあったんで、やるんならみたいな所もあった訳です。
そのもやっとしている所で、次に出したのがダブルゼータと逆襲のシャアの間の話。
やっぱり我々が作っていいのは間だろう?っていう所でそれでダブルゼータに出てくる、1回だけ出てくる「ムーン・ムーン」っていうコロニー。
この「ムーン・ムーン」を舞台にした何とかっていう事を言いかけたら、もうなんか明らかに周りの空気が。。。
それは・・・みたいなwww

皆河有伽氏
最初から極端に言うとUCの年表の中の大きな事件を作ってとか、そういう形ではなかった?
(福井『全くないですね』)
じゃあ、ミネバを使うとかってのは?
福井晴敏氏
あのね、ミネバを使うってのはダブルゼータ。
その時にね、皆に冷たい目で見られたんだけど、実はユニコーンの要素って結構そこで出ていて、あの~まずミネバ。
当然年齢が、逆襲のシャアの前の前座になるから何歳か若くなってるんだけど。
と、その~ブルーシリーズ。が、それの護衛に付いてる。
あともう一つ。
シャアを思わせる様な奴が仮面を付けて出てくる。
その3大要素。
しかもその時点で既にNT-Dっていうが、この間企画書見たら書いてあって、それは顔の部分だけ変形するっていう事も書いてあったんで、実はもうその時点でわりと基本要素の所が出来ていたんだけれども、ダブルゼータで1回だけしか出ていない、誰も知らない様なものにあえてっていうのは拭い難かった。
我々なんてあれじゃないですか、作り手なんてむしろ陽があたって無い物にどう陽をあてるかっていう所に苦心するのが正しいあれだから、俺としては「ムーン・ムーン」に陽をあてるのは、全く作家的行為で無理だったんだけれども、誰も受け入れてもらえなかった。
(皆河「ラサラさんとサラサさんでしたっけ?」)
そうそうそう。
それからまたサンライズのプロデューサー[聞き取れませんでした]とかが、こいつこのままにしておくと何時まで経っても
本気でやろうとしないぞって思われたかもしれないんだけれども、やってきて、どうせやるんだったら『ローレライ』とか『イージス』みたいな、ああいうもので、あれって別に「護衛艦で反乱が起きました」とか、「潜水艦に超能力少女が乗ってました」と言う話ではないでしょ。
それを基にして、例えば戦後日本の国防がどうだったのかとか、第二次世界大戦はなんだったのかっていう事を浮き彫りにする為にやった訳ですよ。
だったらそれと同じように、宇宙世紀のガンダムの世界観っていうのをガシっと鷲掴みにする様な物を作りなさいと。
こう言われてですね、そこで一念発起した所があって、その時にそれに加えて(川口佳高)っていう、その後コードギアスでブイブイ言わせる様になる、その当時大した事無かったプロデューサーがいてですね、
(皆河『キングゲイナー?』)
そうそう。
で、彼が、宇宙世紀って最初ある種 宇宙は新天地で拓けた訳だし、人間にとっては新しい飛躍の時代であった筈だ。
所が戦争の時代になっちゃった。
そこのパラダイムシフトっていうのが、何処かの段階で有った筈だ。
そこの所っていうのを描くっていうのが[聞き取れませんでした]って言って、それが俺の中では元年に起こった宇宙世紀のこれから始まるっていう最初の一行目にそれがもう崩れちゃったっていう、あのラプラスの箱の話につながって、そっからですよね。
後はガンダムのギミックとかっていうのは、角が開くっていうのは前段の所であったんで、じゃあもうあれ、素直にユニコーンでいいやっていう所で、
(皆河『UCとユニコーンを重ねて?』)
最初にユニコーンガンダムとかガンダムユニコーンとか、両方並べてワープロ打ちしてみて「なんか長ったらしいな」と。
なんか約したいなっていうのがあった時に、その時にはいろんな書籍とか読んで、必ずUC00何々とか書いてあったんで あっ、これだ!
何かの都合で外出ている時に、ポン!と思いついて、
(皆河『タイトル聞いた時の悔しさといったらね。俺も会うたびに悔しい悔しいって言ってね、福井さんにいい加減にしなさい!って 悔しかったんだもん。』)
あの時にユニコーンのコーンって言うのがスペルが分からない状態でもしかしたらっていう所があって、もしユニコーンのコーンがKOだったらこれ成立しないじゃないですか。
だからその時にね、[聞き取れませんでした]仕事を早々に切り上げて家に帰って、ユニコーンのスペルを調べてほっとしたっていう記憶がありますね。

皆河有伽氏
じゃあ、ユニコーンの絵とかっていうのはその後に探してきたんですか? リル家の詩とか。

福井晴敏氏
そうそうそう。
そうれはね、あれなんですけど。
俺は、そこまでいろんな事を思いついたらもう走れる。
さあ早くパドックを開けみたいな状態になっていたんだけれども、キャラクターデザインだったら勿論 安彦さんやってくれるよね。
メカニックに関しては小説初っていう事で、一様アニメ化含みっていう風にはするけれども、さっきも言った様に、まず小説を皆に読んでもらわないと意味が無いってのがあったから、その間のマーチャンダイジングのサポートとして、立体物は出していきたい。
立体物をデザインからバンダイに対する作業の進め方まで全部出来る人って一人しかいなかった。
それがカトキさんで。
で、この二人に「いい事思いついたから一緒にやりましょう」って言いに行ったんだけれども、角川の編集長は「絶対「聞き取れませんでした」るよ、安彦さん絶対だよ」ってた事言ってたわりには、「えっ?」わりとなんかガード固いなみたいな所に突当って、「んー、でもこれは僕がやる事なのかなー」みたいな感じで、まあまあそう言わずにと言いながら、また明日きます!って。
今度はその足でカトキさんの方に行くと、「福井さんはさ、ガンダムの深度どれくらいなの?」しんどって深い度。
「今日はちょっと福井さんのガンダム深度測らせてもらう」みたいな。
二人の、いよいよ旅立とうと思ったら、いきなり二人の魔王が目の前に現れたみたいなwww
で、この二人を説得して、なんとか船出に漕ぎ着けるまでに実に半年以上の時間が費やされたって事がありましたね。
それでようやく描いてもらえる様になって、カトキさんからユニコーンガンダムのデザインが上がってきた時に、「こりゃいいじゃん、ばっちりだー」書けるこれでと思って、そしたらカトキさんの方が「ところでさ、これユニコーンガンダムっていうタイトルだけれども角開くとユニコーンじゃなくなるよね」「ガンダムになるよね」「でも、このガンダムの持っている研磨性とか能力とかキャラクター性っていうのはユニコーンって所にあるわけだよね、この唯一拝観をあなたどうしようと思ってるの?」と、言われて、俺は「まったく考えてませんでした」っていうのが内寸の答えであったんだけれども、「あ~それね、ちょっと家に資料があるんで、またその話は今度ゆっくりしましょうか」みたいな感じで家にとって帰して、はじめてユニコーンてのをインターネットで検索して、ユニコーンに関する事、いろいろ調べてみよと思ってその時に出てきたのがあのタペストリーであり、リル家の詩でありっていう。
よぉし、これでもう、その時俺の頭にあったのはカトキハジメをどうとっちめてやろうかwww
現にとっちめられた。www

皆河有伽氏
あのリル家の詩が出てきて、タペストリーが出てきて頭の中で考えた物って限界があるじゃないですか。
一番いいのは本物を使うのが一番いい。
常に歴史的に裏付けがある物を出してきて、説得力を持たせる。
奇しくもアニメーションとかの場合には、架空の世界を舞台にすると、こっちと地続きじゃないんで、頭で全部考えた物に入れがちになるんですね。
宇宙世紀って幸いにして、我々の生きている世界のそのまま先何百年って先って設定なので、ある物を活用して欲しい。
そういう中では古代の、古代っていうか宇宙世紀の文化の物っていうのを、それこそそのまま出してくる。
で、そう言った文芸である美術であるっていうのを彼らが引き継いでいる。
そこで、ユニコーンという新しいモビルスーツ、テーマと言うか肉付けの部分に使われているって所で「わぁ~やられちゃったよ」[聞き取れませんでした]「あ~あやられちゃった」。。。

福井晴敏氏
それこそ最初のガンダムでニューヨークではなくニューヤークと言っていたり、そのへんにオデッサって出てきたりしてるから、ま、結構あれなんだけれども、最初のガンダムを作られた時点では特に富野さんの意識として、逆にいかに地続きにしないか。
でないと、インターナショナル性って言うのが逆に失われるみたいなのがあって、だからそれはなるほどなって思ったんだけども、以後の富野さん以外の作品は特にそうだけれども、積極的に現代的な風土を取り入れていったりやってたじゃないですか。
だから最初に安彦さんと話した時に「あぁ。なるほど。最初に作った人はそう感じるんだ」なと思ったんだけど。
ガンダムにヘリコプターが出るっておかしいよね。っていう。同じ様な爆弾を仕掛けてまわるあの小っちゃいスクーターみたいなやつが、あ~いうのは有っていい。
(皆河『ワッパ』)
むしろヘリコプターみたいな物を殺伐としたふりにしないためにああいうの出していたんだけど、やっぱ今の人って平気でヘリコプターとか、いわゆる現用[聞き取れませんでした]物をそこに入れ込んでやっちゃうんだよね。とかっていうのがあって、あ~なるほどねって。
そう言う事も今まで好きにやられてきた訳だし、こうなったら逆に文化的な事ってのもね、アップデートしていっていいんじゃないかな。
でも、一つだけね、最初のガンダムから連綿と続く事でアップデートしなかった事は携帯電話[聞き取れませんでした]じゃない。
おそらく携帯電話っていうのは今まで画面に映ってないんだけども、実はあったんだよってすると今までの話が結構成立しなくなっちゃう部分も出てくるんで、あれは旧世紀の人類が使っていたが、宇宙世紀になってからは、電波干渉がコロニーの中だと厳しいとかなんとかそういう事があって使われなくなった。
って言うふうにしたって言う。
なんかそこだけすごい仁義通したなっていう。
気を付けた方が無難。
皆河有伽氏
そうですね。
携帯電話とにかく困るんですよね。
携帯電話はプライベートではいいんですが、フィクションには持ち込んじゃいけない物なんでこの世にあってはならない。
てか、この世でないものにはあってはならない。

福井晴敏氏
もしラインとか、そういうのがこのまま連綿と続いて宇宙世紀にもあったとかしたら、もうカミーユとかアムロとか呟きまくりだとwww
もう、今、襲われてコクピットにいるんだけど、俺のどうしたらいい?

皆河有伽氏
それはバトルレイブ[バロル??ちょっと聞き取れませんでした]になっちゃうw

福井晴敏氏
バトルレイブってそういう感じなの?

皆河有伽氏
バトルレイブは画面にいろいろでたりします。

福井晴敏氏
ツイッター的な?

皆河有伽氏
あるみたいですよ。

福井晴敏氏
君の考える事は・・・・

福井晴敏氏
そろそろお時間あれみたいなので、質問のコーナーの方に
移ろうかと思ってございますけども。

早稲田 司会者
それではですね、ホームページの方で事前に募集しました両先生に質問をここで発表させて頂いて、その質問にお答えいただこうと思います。
〈 質問1 〉
それではまず、福井先生に対してですね。
評伝シャア・アズナブルにおいて、シャアを自意識過剰マザコンであるとして、反面教師にしなければならないとされていました。
そこで、シャアの再来という設定であるフル・フロンタルのキャラクターを構築する上で、特に意識したシャアとの共通点、相違点はどこでしょうか。

福井晴敏氏
なるほど。おもたいですね。
あの~。マザコンで何て言ったんだっけ?
(司会 『自意識過剰』)
自意識過剰ね。
これはね、皆そうです。
特に男。
もう間違いなく。
それをどれだけ抑えて生きて行けるかっていう事がまあ一つ人生みたいな所があって、シャアって言うのは、すごい見た目かっこいいし、その辺の所っていうのは調整と割り切ってるとみえるんだけれども、だからこそダダ漏れに見えてくる。
男の弱い部分とかだらしない部分という、それもなんか魅力だなと俺は感じている訳ですね。
逆にね、フル・フロンタルからはその魅力を一切合切取り去っちゃった。
自意識過剰って言うのは、あの仮面を着けている時点でそりゃそうだろうと思う。
そこはちょっと置いておくにしても、マザコンぽい所、例えばシャアだったら、彼のマザコン意識って非常に歪んでいて、それがある種のロリコンの方に走っちゃってる。
自分より幼い、まだそんなに擦れてない女性っていうものを連れてきては、その子に自分の母親になってもらいたい。
子供の頃に母親と彼って別れてしまっているから、聖女みたいな印象ってのがあって、その聖女みたいなものを固くできる対象っていうのが、一方ではララアとかクエスとかっていうああいう若い子で、他方ではその包容力っていう所の一点においてレコアさんとかナナイとかね。
でも、包容力がある様にみえたって、女の方ではいつまでも甘えさせちゃくれないから、そろそろ私達どうなのみたいな空気をちらっとでも出されると、うぉぉって言って逃げて行ってしまう。

皆河有伽氏
私何すればよいとか。

福井晴敏氏
そうそう。
何をすればよいかわかんだろう。
そういう所ってシャアの可愛さですよ。
一方でああいうかっこいい人である所と、天秤でいいなって所があったんで、フル・フロンタルってそこをばすっと可愛い部分っていうのを全部取っちゃったんですよね。

早稲田 司会者
ありがとうございます。
〈 質問2 〉
それでは、皆河先生に対してですね。
ガンダムオフィシャルズは数あるガンダム関連書籍の中でおそらくもっとも重くもっとも厚い本ですが、当初からこの様な大型の本にしてやろうと意気込みで製作されたのでしょうか。
また、機動戦士ガンダムユニコーンを題材にした新たなガンダムオフィシャルズを作る予定はありませんか?
と、いう質問です。

福井晴敏氏
聞きたいですね。

皆河有伽氏
ユニコーンについてまずあってですね。
福井さんガンダムUC終わらっしゃったみたいな。

福井晴敏氏
いえいえ。何をおっしゃいますやら。
まったく終わってませんよ。

皆河有伽氏
ネタバレは大丈夫なんですよね。ここ。
最後、ラスト・・・[聞き取れまっせんでした]
ガンダム人間になっちゃったんだよ。
顔がSDガンダムの世界に行くのかと思ったんだよ。
そういう所でテーマ的にユニコーンっていうのはターンエーまで全部見通す様なシーンとかも入ってつながるんで、これを例えばガンダムオフィシャルズってああいう事典って言われてますけど、現実的にあれはノベライゼーションだと思って書いてるんで、ホワイトベースの所をずっと辿って行くと実はそのままテレビシリーズになる。
ノベライズになるっていう考え方でやってたんですよ。
なので逆にユニコーンみたいな形のものがでると、ユニコーンのノベライズをやる事になってしまうので、[聞き取れませんでした]ぐにゃぐにゃした不思議な状態っていうふうになってしまう。
それでも作るとしたら新しい事を考えなければいけない、っていのがあって、オフィシャルズに関して言えば、最初はそんな事になるとは思ってなくて、そもそもあの時には私の家にはガンダムの本は2冊しかなくてですね、その2冊というのもアニメックの機動戦士ガンダム大事典とガンダムセンチュリーしかなくて、センチュリーの方は殆ど内容を読んでない状態で、世の中にはガンダムの本がいろいろ設定は大変だなってのはブルーの時に感じたので、世の中にはガンダムの設定が全部書いてある本があればいいなって。
講談社の方からガンダムは当時20周年だったんで、なにか企画は無いかいって言われて、じゃあ事典的なのがあったら便利です。皆助かると思います。
で、企画書出して、自分でやるとは思ってなかったんで。
そしたら翌週かな、ボンボンの初代編集長のテレビマガジンの編集長[聞き取れませんでした 安西さん?]なんですけど、「皆河くん来週上井草行くから」
上井草行くんだって、自分がやると思ってないんですよ。
行ったら、自分がやる事になっていて、その時にUC年間っていうのをNIFTY-Serveのガンダムのフォーラムを中心にキャラクターとメカをまとめたものがあったんで、こんなものあるよって言われて、あっ、これがあるのならあんまり仕事しなくていいかなって思ったんだけど、そのままじゃあれだから、サンプルみたいにそれを組んで出して、100ページから200ページくらいになったんで、それを製本して企画書に出したら、出版の講談社の方では、もう中身が出来てる、これは出しましょう。
企画通ったんだけれでも、実際書いてみるとプラモの情報をいれなきゃいけない。
プラモも結局、ゲルググとギャンの創作の話って今は当たり前にありますけど、ツイマットと競争してどうの。
当時アニメにでないじゃないですか。
アニメにでないから入れなくていいかなって思ったら、大学の後輩でガンダムの好きなのに見せたら、「わぁ、そこ書いてない 書いてよ」こりゃ書かなきゃってプラモまでどんどんどんどん増えてって結局3年かかってあんなに厚い本になってしまった。
と、言う事なんで意気込みより[聞き取れませんでした]どんどん戦線替え肥大して、地球降下作戦になってしまった。
そういう事なので、はい。

福井晴敏氏
俺は、あの、もうちょっとあれ軽くしてもらえると大変助かるんですけど。

皆河有伽氏
あれはね、ここだけの話なんですけど、ほんとは軽くできたんです。
軽くできたんですけども、結構いいお値段するものなで、皆さん買った時に軽くて薄いと「え?これ一万五千円するの?」言われちゃう。
出来る限り、こう、、、厚くて大きくしなきゃいけないかなって。
実は紙って薄い紙の方が高いんです。
薄くて軽いのだともっと値段が上がってしまうんですね。
そういった事もあって、ボリュームがある形になったのはコスト的な問題もあるんです。

福井晴敏氏
物には限度があるくらい重いよね。www

皆河有伽氏
あの時、企画の時に、企画会議の時に、当時ジムカスタムか何かのMGでて、これが3500円です。こっちの方で一番薄くすると2センチか3センチくらいに薄くできるの。
その厚さを[聞き取れませんでした]った後、皆がこれを1万5000円だと思って納得してくれるか?
いう話になったの。

福井晴敏氏
まあね、確かにそうかも。それはあるかもね。

皆河有伽氏
~言われている人だとボリュームってあまり考えない。
だったら小さくしてくれっていうよりは、やっぱり買った時の喜び、家の本棚に置く喜びっていうのを持って欲しいと。
そんな気持ちがあったんです。
文庫の量にしたら多分、文庫10冊とかじゃきかないかもしれない。
値段は同じくらいになってしまう。

福井晴敏氏
そうだよね。

早稲田 司会者
ありがとうございます。
こちらガンダムオフィシャルズですね、チケット売り場に本物がございますので、触れてみて下さい。
持ってみたいという方がいましたら、是非その重さを実感して頂ければと思います。
〈 質問3 〉
ここから両先生という形でですね。
小説を書くという作業において、欠かせない物、食べ物であったり、物であったり、環境というものであったりと言うものは何かありますか?

福井晴敏氏
全然あります。
皆河有伽氏
あります、あります。私もあります。
私は家では殆ど書かないので、だいたい外にでて書いてるんで。

福井晴敏氏
そうなの?
外ってどう?

皆河有伽氏
だいたいファミレスとか。

福井晴敏氏
ファミレス!ああ、たまにいるあれ。
ファミレス的に大迷惑みたいな。www

皆河有伽氏
大迷惑w

福井晴敏氏
それはファミレスに行って、ドリンクバーで時々飲み物をおかわりしながら?
家じゃやらないんだ。

皆河有伽氏
家でもやりますけどね。
家よりも外の方が多い。

福井晴敏氏
それはノーパソみたいなの持ち込んでやる?

皆河有伽氏
持ち込んでやるかたちですね。
あとは原稿用紙に書くときもあるし。

福井晴敏氏
資料って例えば必要にならない?
あの本あそこにある・・・

皆河有伽氏
資料はだいたい全部コピーしたりスキャンして、厚い本だと付箋貼って持ち歩くの大変でしょ。
付箋は付箋のページだけ全部コピーしたりスキャンしたりして、持ち歩けるようにしてるんですね。
資料から更にデジメみたいなのを作って、だいたい直ぐ使うものって並べてあるんですね。順番に。
なのでだいたいそんな感じですね。
オフィシャルズの時とかも袋で項目をコピーしたのをまとめて、ホワイトベースならホワイトベースのこんな厚い封筒を持ってあるいてましたから。

福井晴敏氏
ファミレスまで?

皆河有伽氏
ファミレスまで。www

福井晴敏氏
俺は逆に外ではほとんど、もうほんとどうしようもないって時意外はやらないですね。
自分家で、あと無くてはならないのは俺は煙草ですね。
煙草とウーロン茶。
これね。煙草はほんと、これがもし吸わないで済むんだったらどれだけ俺は[聞きとれませんでした スマホ?]他の事ができるんだろうと思うんだけれども。
書いてると吸っちゃいますね。
皆河さん吸わないよね。

皆河有伽氏
昔吸ってたんです。
凄い貧乏してた時に、煙草代がなくて、煙草止めようって決めて、それから暫くは離脱。毒が抜けていく感じがあるんで、すごく気持ちいいですよ。
禁煙は何度でもできるんでw

福井晴敏氏
ん~~www

早稲田 司会者
ありがとうございます。
それではこちら最後の質問にさせて頂きたいと思います。
〈 質問4 〉
ガンダムには数多くのキャラクターが登場いたしますが、自分に似ていると思ったキャラクターは?

福井晴敏氏
自分で書いたやつは抜きね。もちろん。
つか、抜きにしましょう。
でないと書いたものって、どこかしら自分が入ってますからね。

皆河有伽氏
じゃあ私はフル・フロンタルで。www

福井晴敏氏
ほんとうかよって。www

皆河有伽氏
人々の器として。
ガンダムの好きな人の器として、規定しております。

福井晴敏氏
ああなるほど。w
俺ね、本放送で最初にみたのがZガンダムだった
訳ですよね。
その時に丁度高校2年生でカミーユと同じ歳。
だからそのカミーユに対してはものすごい自己[聞き取れませんでした]というか、俺が起こる所であいつも怒るし、俺が殴るだろうって所であいつも殴るし。
という所で言うとスゴイ親近感があったんですけども、これから30年あまりを経て、今、俺が親近感を抱くのはリュウ・ホセイですね。www
いろいろな意味でね。www

早稲田 司会者
ありがとうございました。
それでは当企画これにて終了させて頂きたいと思います。
本日はお忙しい中、お二人の先生、誠にありがとうございました。

福井晴敏氏
皆河有伽氏
ありがとうございました。

早稲田 司会者
それでは、ささやかですが、花束を贈呈したいと思います。
本日はありがとうございました。


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楽しいトークショーでした。
残念だったのは、会場からの質問は受け付けてくれなかった事でしょうか。

しかし、なんですが、チケットって結局半券切られませんでしたが。。。

以上です。

早稲田 ガンダム研究会の皆様
福井晴敏先生
皆河有伽先生
お疲れ様でした。